【前編】スパイスひとり旅 奥飛騨・北アルプス編

10月初旬、初めての奥飛騨・北アルプスに行ってきました。

登山宿泊客に夕ご飯でスパイスカレーを提供している山小屋「槍平小屋」へ行くためです。

新宿駅から出ている朝一番の高速バスで平湯温泉バスターミナルまで。

朝7時に新宿を出れば、お昼前に到着します。

 

平湯温泉バスターミナルに着くと、山小屋のオーナーである沖田さんがわざわざ山を下りて迎えてくださいました。

沖田さんおすすめの平湯で有名な宿の登山弁当を登山口で頂いて、槍平小屋まで向かいます。

 

お昼ご飯を食べ終えたら登山開始です。

 

 

槍平小屋までの道は岩場が多く、浮き石などで足元を奪われやすい道も多いですが、景色は雄大。

少し見上げればところどころ黄色く色づいている秋の連峰が広がります。

岩を越え、沢を渡り、15時過ぎに槍平小屋に到着しました。

ずっと来たかった槍平小屋。

ようやく来たぞ、という気持ちでワクワクいっぱいです。

 

槍平小屋の中は広く綺麗で、売店や談話室などもあります。

 

さて、私が槍平小屋にきた理由。

それは談話室の中にはられていました。

 

槍平小屋では2年半前から宿泊者の夕飯にスパイスカレーが提供されていますが

そのカレーは、私が沖田さんと一緒に作ったカレーだったからです。

 

 

遡ること2019年冬

 

私が大学4年生だったある日、印度カリー子のスパイスショップに一通の長文メールが届きます。

 

”山小屋を営んでいるが、登山口から歩いて4時間の道のりのため物資はヘリコプターで空輸しなくてはならない。空輸費は500mlのペットボトル1本の送料は200円ほど。保存がきいて軽量化できる食品を探している”

”標高2000mの山小屋で作る料理なため、凝った料理を出すことは難しい”

”それでも疲れている登山客の方に、美味しいカレーを食べて元気になってもらいたい！”

 

槍平小屋オーナーの沖田さんが

私が作っている10分3ステップで作れるクイックカレーであるDear.Curryを利用して下さった後に

山小屋での可能性を感じて、Dear.Curryを山小屋で提供したい！と熱いメッセージを送って頂いたのが全ての始まりでした。

 

 

沖田さんの熱い気持ちに触発され、私もやる気がメキメキと湧いて

もっと軽い商品を！もっとバリエーションある食材に対応できる商品を！を目指しました。

 

1ヶ月ほどかけて槍平小屋向けに「Dear.Curry ライト（Light＝軽い）」という業務用のクイックカレー商品を開発し、それを使って

2019年夏から山小屋でスパイスカレーを提供することになりました。

 

私も今日は槍平小屋に宿泊します。

 

ということは・・・！！！

 

この日も夕ご飯はもちろん

 

宿泊者みんなでスパイスカレー！！！

 

この日はせっかくだったので

いつも提供されているスタイルを見つつ、スパイスの使い方などを改めて細かくチェックしながら一緒に作りました。

 

槍平小屋の定番は肉団子と揚げナスのカレー。

ココナッツ風味の南インドスタイルでトッピングにスナップエンドウをのせています。

 

こちらの美味しい食べ方といえば、間違いなく、ご飯とよく混ぜて食べるインドスタイル！

全部ザーッとかけて混ぜながら食べるのがおすすめです。

卓上にはホットスパイス （辛味スパイス）もあるので、それを適宜かけて辛味を足しながら

ザクザクスパイスふりかけも味変や食感の変化を楽しみながら加えていきます。

 

山で疲れ果てた身体に染み渡ります！！！

私は食ベ終わってから、そっと宿泊者の方々の様子を伺いつつ、最後のひとりまで見届けました。

 

今日の13名の宿泊者、残飯率０％！！！全員完食でした！

 

良かった、嬉しい。

 

ずっと前から提供されているカレーではありましたが、直に見られたのは初めてでした。

 

皆様が美味しく食べてくださったことを安心しつつも、実際に見るといろんなアイディアが浮かんできます。

 

その日の夜はずっと、宿泊者の方がもっとさらに美味しく食べられる方法を考えて眠りにつきました。

 

＊

 

【後編】スパイスひとり旅 奥飛騨・北アルプス編では、翌日の楽々登山：槍平小屋から近くの隠れた名峰、奥丸山へ！

標高2000mでのサイン会について。夕食で出てきたザクザクスパイスふりかけについて。どどんとお話しします。