私が世界一おいしいジャムと思っているのは、カヤジャム。
スパイスカレーに時折使うスパイス(ハーブ)の「パンダンリーフ(別名:ランペ)」を使った香りが良い甘いジャムです。
カスタード状のカヤジャムをこんがり焼いたトーストに塗るとたまりません。
カヤジャムはインドネシアのジャムで
卵黄、ココナッツ、砂糖、パンダンリーフのたった4つの材料で作れます。
ただ、小瓶1個分のカヤジャムを作るのには卵黄が100g必要で
卵黄100gというと
…卵10個分です。
作ると大量の卵白が余ってしまい、結構困ります。
卵黄だけ売ってないかなあ〜と思っていたとき
見つけてしまいました。
…鶏きんかんを。
鶏きんかんは鳥モツの一つで、卵(たまご)になる前の卵(らん)です。
まだ生み出されていないたまごということです。
食感と味は卵の黄身とほとんど同じで、甘露煮などでよく使われますが
煮ると固茹で卵のようにパサパサとしてしまい、とても美味しい!というわけではありません。
きんかんは一般には需要が低く、スーパーで非常に安く売っています。(50円/100gで買いました)
きんかんは事実上の卵黄だ。
と思えばカヤジャムが作れるかもしれない。
というわけで、作ってみました。
カヤジャム
材料
- 200 g ココナッツミルク
- 100 g 鳥きんかん
- 50 g 砂糖
- 1 本 パンダンリーフ(ランペ)
作り方
- きんかんは紐みたいなのがついていれば取ります。(我が家の近くの近所のきんかんは非常に綺麗なのでそのまま使います)
- きんかんとココナッツミルクを合わせてマッシャーでペースト状にします
- (『おおおおおお!!濃厚カスタードクリームジュースじゃん!!すでに美味しそう!!!!』と思っても絶対になめてはいけません)
- フライパンに2と砂糖、パンダンリーフを加えてここから20分弱火で加熱していきます
- ここからは無心に、焦らず急がず。ダマができないように底からかき混ぜ続けて5分くらいするとトロトロになってきます
- 10分後、とろみがついて生クリームのようなとろみになります
- 15分後、かなりもったりしてきて、底を擦ると跡が残るようになります。ここからはこげに注意します
- 20分後、のっぺりしたカスタード状になり、完成です
- 粗熱をとっている間に瓶を熱湯で5分ほど煮沸して
- 自然乾燥させた瓶にジャムを詰めます。パンダンリーフは取り除いてしまってOKです。瓶の大きさは200mlほど必要です。
- 密閉し冷蔵庫で冷やします
おはよう、カヤジャム。
一晩冷やすと粘土がグッとまして、濃厚なカスタードクリームのようになります。
これを大好きなふわふわコッペパンにたっぷり塗りまして・・・
パクリ。
おっ、
おいし〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
これこれこれこれこれこれ!!!!
甘いとろみと香りと濃厚さが最高です。
本場だと卵黄と同量の砂糖(100g)を入れますが、50gでも十分です。
ジャムに適した甘み、コンビニスイーツのシュークリームのカスタードクリームくらいの甘さで
パンに塗るとちょうどいいです。
✳︎
きんかんで作って臭みはないの?という方はいるかもしれません。
これがスパイスの魔法。
パンダンリーフの香りのおかげで全くありませんでした。
我が家の近くのスーパーのきんかんが新鮮でひもがついていないからかもしれません。気になる人はきんかんの薄皮を剥くなどしても良いと思います。(私はしませんでした)
カヤジャムは市販品も売っていますが、安いものだと増粘剤などで伸ばしていたり、全卵を使っていたり(なめらかさと濃厚さが違います)
高いものだとAmazonで1小瓶2000円近くで売られているものも。
自分で作るとお手軽に美味しく濃厚なものが作れます。
パンダンリーフは乾燥でも良いですが香りが強い冷凍のものがおすすめ。以下をよく使っています。
パンダンリーフの代わりにシナモンを使って砂糖も半分黒糖にしたら
スリランカのcoconut toffee (ココナッツの糖菓子) みたいなジャムができそうだと思っていて
次回はこれを作ってみます。
「卵黄」を「きんかん」に置きかえることで安価に、卵白が余る心配なく作れるものはたくさん出てきそうで
おそらくココナッツミルクを牛乳にすればカスタードクリームが作れ
同様の方法で濃厚バニラアイスも作れるな、
と考えています。
…というわけで
来年の夏は鶏きんかんでアイスクリームを作ろうと思います。